エアコンは扇風機などのコンセントを差したら使える電化製品とは違って、業者が設置工事を行う必要があります。
それには色々な作業があることが理由ですが、個人でやるとなると道具をそろえるなどの費用や手間が余計にかかってしまったり、最悪せっかく購入したエアコンが壊れてしまったり使えなかったりする恐れがあるため、プロにお任せするほうが結果的に早く安く安全に済むといえます。
その、色々な作業の一つに「真空引き」というものがあると聞いたことはありますか?
真空引きとは、エアコンの取り付けの際に、室外機や冷媒管などエアコンに必要な配管類の内部に残った空気を真空ポンプで吸い出して、真空状態にすることです。
エアコン取り付けで真空引きはなぜ必要?
エアコンの取り付けで真空引きが必要な理由は、水分やゴミが冷媒管の中などに残っているとエアコンを使い始めたときに残った水分が凍って故障してしまうからです。
エアコンの配管の中は冷媒ガスだけで満たされていることがベストな状態で、水分や空気が残っているとエアコンの効きが悪くなったり、正常に動かなかったりします。
そこで真空ポンプを使って空気を時間をかけて水分やゴミをできる限り除去することを真空乾燥といいます。
真空引きとエアコン取り付け工事の費用
真空引きがエアコンの取り付けに必須だということは前述した通りです。
しかし、業者にエアコンの取り付け時に真空引きを依頼する場合、エアコンの取り付け工事に真空引きが含まれていなければ追加料金が発生します。
その費用感を見ていきましょう。
まず、エアコンの取り付け作業の費用は約10,000円程度~になります。
業者によってはこの料金で真空引きのみであったり、真空引きなど標準的なエアコン設置作業が一通り含まれていたりします。
この際注意しなければならないのは、真空引きの方法が「真空ポンプ」での作業か「エアパージ」での作業かという点です。エアパージは料金が安くても、真空ポンプよりも処理が甘くなります。
真空引きを個人でやる場合、真空引きに使用する道具を準備する必要があります。
真空引きに使用する真空ポンプを準備する方法としてレンタル、もしくは購入があります。
レンタル費用は平均2,000円前後で、購入する場合は10,000円前後~です。
そう何度も使うものではないと思うので、おすすめはレンタルする方法です。
エアコン取付工事の真空引きを個人で行う方法
DIYとして真空引きで行う場合は、まず道具をそろえるところからです。
必要な道具は「真空ポンプ」「ゲージマニホールド」「チャージングホース」の3つです。
真空ポンプは、配管内から空気やゴミを抜くための道具で、手動式と電動式があります。
電動式の方が強力なので、配管内を真空にするためにはこちらの使用をお勧めします。
ゲージマニホールドは、配管内部の真空度を測るための装置です。
チャージングホースはそれぞれの装置とエアコンを繋ぐためのもので、真空ポンプやゲージマニホールドのどちらかに付属している場合が多いです。
手順としては、エアコンの取り付け作業の終盤です。
ざっくりというと、
①真空ポンプにゲージマニホールドとチャージングホースを繋げる
②チャージングホースの一方のチャージバルブを室外機の側面のサービスポートに繋げる
③ゲージマニホールドのバルブを開き真空ポンプの電源を入れる
④15分ほど放置し、真空ゲージの数値が「-0.1MPa」になったことを確認する
⑤真空ポンプのバルブを閉めてしばらく目盛りの値が変化しないか確認する
簡単に言ってはいますが、これよりも細かい作業が待っています。
さらに、何度やってもうまくいかない、レンタルした機械を壊した、エアコンそのものを壊した…なんてことになったら大変です。
業者に依頼して作業してもらうのがいいでしょう。
真空引きがエアコン取り付けの標準工事に含まれている業者はどこ?
エアコンの取り付け工事を依頼する場合、家電量販店に依頼する場合とエアコン工事専門業者に依頼する場合の大きく2つに分かれます。
家電量販店で標準工事に真空引きが含まれていると明記されていたところは、ヤマダ電機とジョーシンでした。
エアコン工事専門業者であれば、大抵の業者は真空引き作業が含まれていることが多いようです。
ただし、確認はするようにした方が無難です。
まとめ
真空引きとは室外機や冷媒管などエアコンに必要な配管類の内部に残った空気を真空ポンプで吸い出して、真空状態にすることです。
配管内の水分やゴミが凍ってしまうとエアコンが故障してしまうため、エアコンを取り付ける際には必ずやった方がいい作業です。
真空引きの作業は業者に依頼すると10,000円ほどかかる場合がありますが、個人で道具をレンタルして行う場合2,000円程度で実施できます。
しかし真空引きは個人でやる場合、道具をそろえるなどの費用や手間が余計にかかってしまったり、最悪せっかく購入したエアコンが壊れてしまったり使えなかったりする恐れがあるため、プロにお任せするほうが結果的に早く安く安全にエアコンが設置できます。
以上が、エアコンの取り付け工事の作業の1つ、真空引きについてでした。
エアコンの取り付け作業の前に、エアコンを設置するための専用コンセントの有無も確認した方がいい項目です。
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