LEDの白色光の秘密と紫外線が出ない理由を解説

室内LED照明

LED照明は紫外線を出さない?

結論から言うと、LED照明は紫外線を出しています。

ただし、その量は蛍光灯よりも少なく、人体に影響がないほどの量しか出ていません。

そもそも紫外線は基本的に骨の形成のためのビタミンDや幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の生成のため適度に浴びた方がいいので、全てカットしなくても人体には問題はありません。

しかし紫外線が少ないことで、物の劣化が抑えられたり、虫が寄って来にくくなったりするため、室内の明かりには紫外線が含まれていないに越したことはありません。

また、LEDの中にも紫外線をほぼ出さないものと、紫外線を出すものがあります。
一般的に普及しているもののは多くが紫外線をほぼ出さないタイプが売られています。

LEDはどんな仕組みで白く光っているの?

実は、LED照明は2色以上の色を使って白くなるようにしているだけで、単色で白く光るものがありません。

白色を作り出す方法として主流なのは「青色LEDと蛍光体」方式で、

①青色LEDで補色である黄色の蛍光体を光らせて白色を作る方法、
②光の三原色を用いて青色LEDと赤色LED、緑色LEDを合わせて白色を作る方法があり、他にも
③紫外光LED(または紫色LED)で赤、青、緑の3色蛍光体を光らせて白色の光を作る方法があります。

①青色LEDで補色である黄色の蛍光体を光らせて白色を作る方式で作られた光は、疑似白色とも呼ばれ、現在普及しているLEDはほとんどこの方式のものが使われています。

発光効率が他の方式に比べて良いので、省エネで明るく照らすのに向いていますが、照らされたものの色の見え方が他に比べて劣るといわれています。

②光の三原色を用いて青色LEDと赤色LED、緑色LEDを合わせて白色を作る方式では見た目には自然な白い光に見えるものの、照らされたものの色に違和感を感じる場合があるといわれています。

③紫外光LED(または紫色LED)で赤、青、緑の3色蛍光体を光らせて白色の光を作る方式では、唯一「紫外線」を発します。これは光る原理が蛍光灯と同じのため、精細な色を取り扱う場合によく使われます。

LEDの紫外線の量は蛍光灯の200分の1!

蛍光灯の紫外線の量としては太陽光の1000分の1程度といわれています。

さらに、前述のように現在普及しているLED照明は①青色LEDで補色である黄色の蛍光体を光らせて白色を作る方式なので、紫外線はほとんど出ていません。

蛍光灯とLED照明の紫外線量を比較すると、LED照明の紫外線量は蛍光灯の200分の1ほどになります。

紫外線が少なければ少ないほど、発熱も少なくなるため、生鮮食品や冷凍食品などの保冷ケースなど熱に弱いものを陳列する場合に有効です。

他にも、紫外線が少ないことのメリットとしては、光が当たっている物の劣化や日焼けを抑えられることや、虫が寄って来にくいことが挙げられます。

虫が寄ってこない理由についてはこちらの記事で解説しています。よろしければご覧ください。

LED照明に虫が寄ってこない理由と効果的な設置場所

紫外線を利用したLED照明は必要?

LED照明が紫外線を出さないことで物の劣化が抑えられたり虫が寄ってこなくなったりするならば、逆に紫外線を発するLED照明なんてなくてもいいと思いませんか?

ただ、紫外線がなければいいことばかりではなく、前述の③の方式で説明したような繊細な色の見え方が大事になる場合はこのLED照明が必要となります。

LEDは照明以外にも、用途に合わせて紫外線のみを出すLEDや赤外線のみを出すLEDなども作られています。

紙幣やパスポートなどは偽造防止のためブラックライトを当てるとマークが浮かび上がるようになっているものがあり、このブラックライトが紫外線のみを照射するLEDの例になります。

小物作りのレジンやジェルネイルなど樹脂を固めるための機械にも紫外線を利用したLEDがあります。

まとめ

LEDには紫外線を出すものと出さないものがあります。

LEDが白く光るのは、3つの方式から作られているもので、その中でも家庭用のLED照明として普及しているものは、ほとんど紫外線が出ない方式で作られたものになっています。

あえて紫外線や赤外線を出すように作られたLEDもあり、生活の中で利用されています。

以上が、LED照明と紫外線の関係になります。

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